民泊を提供する側を正式には『住宅宿泊事業者』と呼びますが、これには大きく分けて3つの分類(4~6号)があります。実はこの分類に応じて、住宅宿泊事業者が利用できるサービスが大きく変わってきます。これは新法ガイドライン2-2(7)①に基づいており、誤って利用してはいけないサービスを利用しますと違法行為になりますので、6号の住宅宿泊事業者は以下表の赤字部分に注意してください。
なお、以下は受託宿泊事業法施行要領作成当局の観光庁観光産業課に確認した内容に基づいて作成しています(2018年1月11日16:41 村井さま回答)。
住宅宿泊事業者のタイプ | ||||
届出標識⇒ | 4号 | 5号 | 6号 | |
小分類⇒ |
A:家主同居型 (常在または 1~2時間内不在) |
B:家主同居型 (離れに常在) |
C:家主同居型 (1~2時間超不在) |
D:家主不在型 (常に不在) |
①住宅宿泊管理業者 の利用 |
可能 | 可能 | 必須 | 必須 |
②住宅宿泊管理業の一部 のサービス提供者の利用 |
可能 | 可能 | 不可 | 不可 |
③住宅宿泊管理業以外の サービス提供者の利用 |
可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
「可能」とは任意で利用可能という意味です。
上の表でいう、①~③の業者の違いを理解にするにはまず、住宅宿泊管理業について理解する必要があります。
住宅宿泊管理業とは新法で定められた第5条~10条に記載の業務を指します。
一方で以下の業務は住宅宿泊管理業ではありません。
6号の住宅宿泊事業者は①住宅宿泊管理事業者への委託は必須となっていますが、上述5~10条全ての業務を一括して委託します。6号事業者は一部の業務だけ、または複数の①の業者に委託することは新法ガイドライン2-2(7)①で禁じられていますので、1社の①住宅宿泊管理業者へ委託することになります。言い換えますと上述5~10条全ての業務を一括して受託できる事業者が①住宅宿泊管理事業者(登録制)です。
では、表内「②住宅宿泊管理業の一部のサービス提供者」とはどんな業者を指すのかと言いますと、読んで字の如く、以下のような一部のサービスに特化した業者が挙げられます。
つまり、前述の通り新法ガイドライン2-2(7)①において住宅宿泊管理業務の一部だけを業者に委託することを禁じられている6号の住宅宿泊事業者は、これらの「②住宅宿泊管理業の一部のサービス提供者」を利用してはいけません。原則として受託したこれらの業者の責任ではなく、委託した6号の住宅宿泊事業者が違法行為(11条違反)として罰せられます(※)!
(※)ただし②住宅宿泊管理業の一部のサービスの提供業者が、誤認させるような表記(不在型民泊でも安心!など)で6号事業者と契約したり、6号の住宅宿泊事業者と知りおきながら、サービスを提供した場合は、これらの業者も22条違反として罰せられることがあります。
なお6号の住宅宿泊事業者は5~10条業務の一部を自ら行うことも禁じられていますので(詳細はコチラ)、必ず①住宅宿泊管理事業者に業務を委託してください。この「①住宅宿泊管理事業者」が「②住宅宿泊管理業の一部のサービス提供者」に再委託することは合法ですので、②業者はB2Cではなく①業者に対するB2Bに活路を見出すことになりそうですね。
6号の民泊事業者でも安心して併用できるサービスは表内「③住宅宿泊管理業以外のサービス提供者」の行うサービス、つまり、住宅宿泊管理業とはみなされない上述の「物件内の設備の保全業務」「鍵の管理業務」「退室後の状況確認業務」を請け負う業者のサービスになります。特に不在型民泊においては「鍵の受け渡し代行はサービス業者」の利用頻度は上がると思いますが、このサービスは利用してもお咎めはありませんので、ご安心ください。