物件が決まったら、保健所でもらった手引きやアドバイスにしたがって、設備詳細を決めていくことになります。法制度で決まっているものと(トイレの数など)自治体のガイドラインで決まっているものがあります。レイアウトに影響を与える以下の項目は必ず、申請前に保健所の担当者に確認しておきましょう。
⇒二段ベッドの場合は高さの間隔にも注意。なお三段ベッドはいくら天井が高くても認められません。パイプベッドも耐久性から敬遠されます。
⇒ベッドの間の通路とそうでない通路では幅の決まりが異なったりします。
⇒前述の通り各フロアに必要かどうかも確認要。なお銭湯が近くにあれば、入浴施設が免除されることもありますが、きわめて稀な判断なので期待しないほうが良いでしょう。
⇒ゲストハウス内飲食業を行う場合、従業員のトイレを兼ねる場合は洗面所のボウルのサイズに規定があるので注意(第24項参照)
⇒部屋なのか家具なのか扱いを確認すること。自治体によっては部屋とみなされ各ベッドにスプリンクラーを設置することになります。
⇒スタッフなどの同一建物内の管理者の常駐を義務付けている自治体もありますので「管理人室」の設置が必要になる場合もあります。
⇒火災報知器がない部屋(あってはならない)には新たに設置が必要になります。間仕切りの際には注意が必要です。
⇒キッチンと近すぎると衛生上の懸念が・・・などと言われることもあります。
⇒ドミトリーオンリーはOKですが、個室も設ける場合は、その面積が全体客室の半分を超えると「簡易宿泊業」ではなく旅館やホテル扱いになるので家具設置時に留意してください。
これでいいに違いない!と勝手に設置してしまうと後で痛い目にあいますので、必ず保健所の担当者と一緒に確認しながらやっていきましょう。ただ、自分からつついて寝た子を起こす(厳しいルールを課される)のもバカらしいですから、同じ自治体にあるゲストハウスに宿泊がてら内装をチェックしてあらかじめ「基準」を認識しておくのも手ですね。
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<お役立ちリンク>
既製品でも頑丈な二段ベッドがある。上下ベッドの間隔、ベッドのサイズに注意して選ぶこと。
家具家電を自社倉庫から配送をしているところ。
大きめの張り紙を印刷できるA3対応プリンターがオススメ。
他所と被りたくない、という場合には外国製の家具を扱うショップチェック。
下段をすのこなどを用いて床との隙間を無くせるか、保健所に相談してみよう。ベッドの下の掃除を省けるのでラクになる。
ラミネーターがあると館内の案内や外に掲示するようなイベント告知もプリンターで作成できる。
厚生労働省の「旅館業における衛生等管理要領」によって暗に必須(※)とされているのが帳場(フロント)です。フロントとは以下のようなものです。
要は正確な「本人確認のために」、けっこう大きなカウンターが必要ということです。自治体によっては玄関にゲタ箱を設けることを必須としている場合もあり、かなり玄関付近がごちゃつくことから、レイアウトに影響を与えるので注意しましょう。
(※)平成28年に同管理要領が変更され、10名以下の小規模な簡易宿泊所なら、フロントの機能さえ果たせれば(本人確認業務ができれば)、フロントはなくてもOKとなりました。さらに改正旅館業法により、リモートでのID確認の道が開けました。参考ページはこちら(内部リンク)です。
なおフロントには実務的にプリンター複合機が必須となってきます。これは訪日旅行者の宿泊に際し、宿泊者カードの記入とは別途パスポートコピーをとることが慣例となっているためです。また、複合機についている必要はありませんが、副業で飲食店などを行う際にはFAXでの発注も頻繁に行われていますので、FAXの導入も必要に応じて検討しましょう。インタ―ネット回線を引く際に一緒に光電話を導入すれば、FAX用の複数番号の取得もらくちんです。